三代目ケラ、孵化する
2017年6月23日
卵を隔離しておいた小瓶に緑色のカビの塊を見つける。餌は入れていないので、こんな風なカビの中心にあるものの想像はすぐについた。
上の方に被せている新しい水苔を慎重に剥がすと、やはり、いくつかの卵がカビに置き換わっていた。まだ透明感を保っている卵も見えるので、カビを取り除き元に戻した。
2017年7月3日
日に日に、生きている卵の数が減っている。全部カビになるまで付き合ってやるか、という気持ちで、乾いてきた水苔を湿らせた。
2017年7月11日
今日もカビを取り除く作業をしようと上の方の水苔を持ち上げ覗き見ると、なんとそこに生まれたばかりのベビーケラが!
ステンレスバットに瓶の中身を全て広げて、ベビーを撮影。ここまでアップにすると脱皮する時のキリトリセンがよくわかる。
この子の親たちもこんな時があったなあ。小さいけれど、必死で私の手のひらを掘ろうとしている。
結局、他の卵は全て腐ってしまっており、無事に孵化できたのはこの1匹だけだった。卵室が作られない産卵は、やはり失敗なのだなあ。
この子も、何日生き延びられるかわからない。過度に期待はしないでおこうと思いつつ、セブンイレブンの日生まれなので「セブン」と名付けた。
オケラの飼育方法まとめ
私がオケラと暮らすようになって一年。そろそろここまでにわかった飼育方法をまとめておこうと思います。
準備するもの
飼育ケース
水槽、金魚鉢、食料保存瓶、昆虫飼育ケースなど、透明で深さのあるものが望ましい。
1匹なら 15cm×15cm×15cm 程度の大きさでよい。
蓋をする場合は空気穴を開ける。メスは飛ぶので蓋はあったほうが安心です。
園芸用品。水に10分以上浸しておく。
エサ
乾燥赤虫、昆虫ゼリー。
その他のエサは料理の際に出る野菜クズや果物など。
ピーナツも食べられるはずですが個体差があるようです。
飼い方
水をじゅうぶんに吸わせた水苔を軽く絞り、飼育ケースの八分目程度まで敷き詰めます。水苔の上にオケラを放ち、エサを置いてやる。それだけです。黒い紙で覆ったり暗室に置いたりする必要はありません。オケラは隠れたくなったら自由にケースの中央に潜ります。
朝晩、悪くなったりカビの生えたりしたエサがあれば取り除いて新しいものを入れます。動物性、植物性、両方なるべく切らさないようにします。ケースのふちの方に入れるようにすると、エサを食べているところを観察できることがあります。
水苔の表面を触って少し乾いてきたなと感じたら、水を振りかけます。底が水に浸かるくらい入れてもオケラは平気なので、早め早めに。
水苔が黒っぽく細かくなってきたら、新しいものと取り替えます。
オス・メス
オケラのオスメスを見分けるのは難しいのですが、鳴き声の違いはわかりやすいです。オスは「ジーーーーーーーー」と連続した機械音のような声で鳴き、メスは「ギロロ、ギョロロ」と鳴きます。
メスを飼う場合、卵を産むことがあります。水苔の中に、指で押しても壊れない鶏卵より一回り小さいくらいの土塊を見つけたら、念のため親とは隔離しておきましょう。卵室あるいは産室と呼ばれるもので、中に卵が15〜30ほど入っています。
子が生まれたら、育て方は成虫と同じですが、初めはあまり硬いエサは食べられないようです。与えたエサを何も食べなくても水苔がエサになるのでしばらくは心配いりません。
ケラの寿命は2年という俗説がありましたが実際は1年です。夏までに捕まえた成虫は来年まで生きないかもしれません。大事に飼ってあげてください。
オケラ、飛ぶ
2017年7月3日
何か大きな羽虫がブンブンごそごそしてると思ったら。
(脚にホコリ付いてる……)
今年も来たの?
私の服の袖に停まった。
あれ、もしかしてうちの子?
春に成虫になった子は羽が短くて飛べないと聞いていたので、油断して蓋をしていない瓶があったのだ。オスメスをつがいで入れておいたやつだ。
例の、鳴き方の下手なオスには見向きもせず、君は外の世界に伴侶を探しに行こうとしたんだね。
そういうわけにはいかないので、瓶にお帰りいただいて、即席の蓋を被せた。
あ、そうそう。飛ぶとこ初めて見ましたけど、蛾と見間違えましたよ。そんな感じでした。
オケラ第三世代
2017年6月21日
三ヶ月ぶりに水槽の水苔を入れ替えた。水苔は結構ケラの餌にされているようで、粉々になるにつれ葉物野菜や赤虫などの餌の減りが早くなる。与えた餌をたくさん食べてくれるのは嬉しいが、水苔が土っぽくなるとトンネルの観察がしにくくなるというデメリットもある。
おーまえ〜の・・・こーれくーらい〜
うおッ、まぶし
どうもありがとう(ペコリ)
こっちおいでよ!
そろそろおうち帰ります
さて。だいたい成虫で水苔に紛れてしまうこともないので割と雑に作業していたが、底から 10cm くらいのところでキラッと光る米粒状のものを発見してしまった。
卵だ。
通常、ケラの卵はしっかりとして弾力のある卵室(産室)に守られているはずなのだが、それらしい手応えはなかった。
その辺りひとつかみ分程度の水苔に、卵はぽつぽつと散乱していた。
こうなると油断できない。このケラたちがちびっこだった頃の引越しのように、古い水苔を手のひらの上で慎重にばらし、卵を確認しなければならなくなった。
卵室を作らないで産んでしまったのか、それとも材料が足りなくて上手に作れなかったのか。親ケラに栄養が足りなかったのか、きょうだいが邪魔して作れなかったのか。
こういうケースは自然界にもあるのだろうか。
水槽ケラの総数は 3/22 の56匹から12匹減って44匹。うち成虫が42、幼虫が2。
卵は14個。1回に産卵する平均的な数だ。
卵の中身がみんな無事だとすれば、2匹増えていることになる。
卵室がないのでどうなるかわからないが、14個の卵たちは周辺の水苔と一緒に小さい瓶に隔離しておいた。
オケラのヌケガラ
2017年5月26日
地上へ続くトンネルのどん詰まりに、オケラのヌケガラを発見した。
持ち主どこ行った。
今まで脱皮を目撃できた子らはわりとすぐヌケガラ食べてたような。
地上近くだったので、ヌケガラより赤虫を選んだのかな。
目のところ、透明だ。
頭(正確には胸)の真ん中からぱっくり分かれたのがよくわかる。こんなに複雑な形状なのに、どこも壊れていない。
昔飼っていたグリーンイグアナは、たまに運良く手袋落としていることがあるくらいで、人間が日焼けした時の皮の剥け方に近かった。
モテるオケラ、モテないオケラ
2017年4月14日
オスが上手に鳴いていた。しばらく聴いていると、呼応するようにメスがひと鳴きする。
2017年4月30日
水槽を掃除した時、実はオスとメスの成虫を一組だけ、別の瓶に入れておいた。今のところ繁殖している様子はない。
このカップルのオスの鳴き声がこんな感じ。
こんな下手くそな鳴き方ではメスは寄ってこないんではないかな。
大ケラ水槽を掃除する
2017年3月22日
年長ケラたちの飼育水槽を掃除することにした。暖かくなったら、と思っていたが、なかなか暖かくならないので冷たい風の吹く中震えながら行った。
大きいだけに、まだ掃除が必要なほど水苔が汚れているわけではないが、成虫ケラが毎日鳴いているので繁殖している可能性を考えた。もし卵室があれば隔離しておきたい。
全ケラ水槽から出してみたけど、さすがに閲覧注意かなあ。
66匹で始まった水槽生活だが、56匹に減っていた。もっと半減するくらいの勢いで減っているかと思っていたので驚いた。
金魚鉢組より年長のはずなのに、随分チビもいるのはどういうことだろうか。もしかして、人間の知らないところですでに生まれてて、ここまで成長したとか?
ありえなくもない気が。
ともかく、内訳は幼虫33、成虫23。
オスメスを分けてみたかったが、静止している時でも見分けるのが難しいのに、こう元気に動き回られてはさっぱりわからないので諦めた。
多分ですが、上がオスで下がメス。
ざっと見た感じ、メスが圧倒的に多い気がした。毎日鳴いているのもだいたいメスばかりなので、きっとそうなのだろう。
産まれる比率が違うのかも知れないし、オスは一度交尾すると生き続ける意味がないので、すでに……という可能性もあるのかな。