生まれたての子鹿のようなケラ
2016年10月10日
隔離しておいた産室はボール紙の箱で囲っておき、マメにチェックするようにしていた。水苔の量が少ないためか小ケラたちの瓶よりも乾燥が速い。そういう時は産室の底がうっすら浸かる程度に水を与えた。
真っ白だった卵は徐々に茶色味を帯びてきていた。それが正常なのか、はたまた腐っていく過程なのか、それを無料で確かめられる資料が探しだせなかった。
夜10時ごろ。
デネブらの瓶のジャコが半分以上見えなくなっているのを確認し、産室の瓶を箱からそっと取り出した。
するとそこに、
暗がりに隠れて3mmほどの赤ちゃんケラが。
ムーンストーンのような透き通る白さ! あちらこちらをフンフン嗅ぎながら(?)ちょこまかと走り回っている。その可愛らしい動きを撮影していると、ピントの合っていない手前の方でクネクネする物体がある。あ、もう1匹生まれてた。
他の卵も孵るのかしばらく見ていたが、わからない。明るさが関係あるといけないので箱に戻し、時々出して観察する作戦に変更した。そうして発見したのがこちら。
3匹目だ。
卵から頭が出てきたところで、まだ丸まっている。このあと徐々に全身を伸ばし、よたよたと立ち上がった。生まれたての子鹿のような動きを想像してください。生まれたてのケラもそんな感じです。
4匹目5匹目もタイミング悪く、卵が割れる瞬間に立ち会うことは叶わなかった。
2016年10月11日
1時を回ってさすがに私の眠気が限界となった。
※ ここからしばらくケラに関係ない話になります。
たまらず、 iPhone の録画ボタンを押して寝るという暴挙に出た。5時ごろ起きて目をやると、 iPhone の画面が真っ黒だ。ストレージを使い果たして停止していたのだ。
録画時間は2時間を超えていた。こんな重いデータどうすれば? iCloud の容量も残っていない。
ひとまず Mac と接続し、写真APP に取り込もうとした。しかし、漫画単行本1冊読み切るまでのレインボーカーソルくるくるののち、「読み込めない形式」と言われて蹴られてしまった。iOS10 で撮影した動画のファイル名が全て
xxxxxxx.mov(xxxxxxx.mov)
となっている。なぜ2回繰り返す。
対処法を検索するも見つけられない。iPhone 上でファイル名を確かめる方法もわからない。AirDrop で同期してから余計なカッコを取り除くことを思いついたが、重すぎるせいか途中で拒否されてしまう。
1年以上立ち上げていなかった、Mac の iMovie で読み込んでみる。これでダメなら iCloud の容量を増やすしかないかも。
もう1冊漫画単行本を読了させて、読み込み終了の通知窓が開いた。午前11時過ぎ。問題なく再生できることを確かめ、iPhone から動画を削除すると、滞っていたメールを次々と受信した。フウウ、一安心。
2時間を超える動画を早送りすると、あれからさらに4匹が孵化していた。卵が膨らみ始めてから赤ちゃんケラが頭を出すまで、通常の速度で再生したのでは動いているのがわからないほどのノロさだ。
6匹目誕生の瞬間(瞬間じゃない)を40倍速に編集したものがこちらです。左上の卵が孵化します。
昨日のうちに生まれた個体は、頭(に被った胸板)や脚先が黒っぽくなっており、そうとわかる。何か意味があるのかないのか、1番に生まれた子が1番小さい。
たまたま、この黒っぽい子が今産まれようとする子を助けているように見える動作をするところが今回の見どころです。