オケラと暮らす日記

オケラ(ケラ)を飼育しています。

オケラの耳はどこにある

2017年9月29日

ぶどう。ベガとアルタイルに皮の付いたままのと剥いてやったのとを与えると剥いた方しか食べなかったぶどう。

爪楊枝を使えばそう手間でもないので剥いてやり、各ケースに入れてやった。

スイカもそうだが、ぶどうも夢中になる美味しさのようで、水槽の数匹が人間の目の前でむしゃぶりつく醜態を見せた。

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やはり口元の構造がよくわからない。先端の丸い4本の突起のうち上側の2本は、人間の人差し指のような関節を持ち、ぶどうを押さえたり刮いだりしているように見える。

4本の突起の中央は十文字に開くのではないかと思うが、その様子は観察できなかった。中央からブラシ状の舌のようなものが出てきて、ぶどうの実を削り取っているように見える。カブトムシと同じようなものだろうか。

 

920Bros. には大きすぎるのか、よじ登って遊ぶ(?)ものの食べているふうではなかった。汁ぐらいは舐めていたかもしれない。

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ところで、幾度となく「ケラ」「オケラ」に様々な語をプラスして検索している私だが、全く新しい情報に出会わなくなって久しい。ふと、英語の世界ではどのような扱いを受けているのかと気になり、検索窓に「 mole cricket 」と入力してみた。

トップはもちろん

Mole cricket - Wikipedia

で、その下には「 pest control(害虫駆除)」の文字が見えるサイトが並ぶ。

ウィキペディアの日本語のページには主に日本のケラのことしか書いていないが、英語ページには世界のケラの仲間の記述があり、生態に関しても若干表現が違うようだ。

「文化」の項目に面白いものを見つけたので訳してみる。

 

In Japan in the past they seem to have been associated with the worms/corpses/bugs that announce a persons sins to heaven in the Koshin/Koushin belief—see the spirit ghoul shokera/shoukera.

日本では、昔、オケラは庚申待において天帝に人間の罪を告げるミミズ/死体/昆虫だと信じられていた。妖怪しょうけら(精螻蛄)を参照。

 

うーん、オケラと精螻蛄はカラスと八咫烏くらい違う気がする。

 

閑話休題、英語版 Wikipedia からケラの解剖に関して新しい知識を得た。

オケラの耳の位置です。

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コオロギなんかも前脚の側面にあるそうで。

耳のそばで土を掘ってたらうるさいんじゃないかなんて思ったりもするが、人間の耳とは聞こえる周波数がだいぶ違うんだろうなあ。

オケラ新体制

2017年9月27日

ラムチャンがせっかく卵を産んでも、モロボシが全て平らげてしまう。別居してもらうよりほかない。飼育ケース足りない問題だが、水槽がスカスカのはずなので、金魚鉢組、大キャンディポット組、要するにベガとアルタイルの子達を全て一緒にすることにする。

9月6日時点でのオケラの数は、水槽組=成虫15匹、金魚鉢組=成虫9匹、大キャンディポット組=成虫5匹+幼虫1匹だった。あれから3週間。

 

水槽も中に死骸が残っている可能性、卵がある可能性を鑑みて、一度全て別容器に移した。思った通り、バラバラ死骸が散乱していた。卵も少しだけ残っていたので別瓶に隔離した。死骸のせいかオケラの加齢臭なのか、水苔が綺麗な割には悪臭があった。

生きているオケラは5匹だった。10匹減った。興味深いことに、5cmあるような大型の個体は残っておらず、全て3cm大程度ばかりだった。

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金魚鉢。9匹全て生きている。最近餌の減りが悪い気がするが、まだ大丈夫みたいだ。卵はなかった。金魚鉢のオスはよく鳴いているのに。まあ、食べているんだろうけど。

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大キャンディポット。全て生きている。成虫5匹+幼虫1匹……まだ羽化してなかったんか! 君だけネオテニーに進化したの?

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モロボシ(左)とラムチャン。

モロボシは水槽に混ぜても良かったが、万が一ラムチャンと取り違えると残念なことになるので、このカップルは1匹ずつ別の瓶に住まわせる。

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920bros. は、モロボシ世代がこの時期そうであったように思い思いに荒野を目指している。この生まれたばかりの頼りない脚で、壁を、水苔の隙間をよじ登り地上をはねるのだ。

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レタスにも小さな小さな齧り跡が残るようになった。来週には一度個体数を数えてみたい。

オケラのオスは頭悪いんじゃないの(怒)

2017年9月24日

ラムチャンがこしらえた卵室に隙あらば口吻を突っ込もうとするモロボシを赤虫で誘導するなどして人間も頑張ったのだが、やはり飼育瓶を分けないとダメなのかもしれない。

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卵室だった場所の上にがっつりと開いた穴。写っていないが奥の方にモロボシがいる。卵は全く見えなくなってしまった。

 

しかしラムチャンも負けていない。

持ち上げて底を見ると、新しい卵が。

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隔離したいが、しかし飼育瓶の空きがない。辛い。

 

さて、今朝方まで半径10mm程度の範囲でもぞもぞしていた 920 Bros. は、夜覗いてみるとおのおの冒険の旅に出かけていた。孵化した場所の近くの水苔の隙間を行ったり来たりする個体が見えたが、写真は撮れそうにない。先日与えた赤虫はカビてしまったので取り除き、レタスの柔らかいところを差し込んでみた。

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たった4日で巣立ったのは、卵室が不完全だったからなのか、それとも、こんなものなのだろうか。どうもネットで調べた情報と食い違っていて(もっと長く卵室に留まるのだったはず)、そうなるとデネブの誕生の時期なんか計算間違えている気がする。

 

オケラの可愛らしさに変わりはないから、いいか。だいたいケラの産卵を詳しく研究してる人らって、駆除目的でしょ? ご苦労様です。

オケラの卵室作り

2017年9月22日

ラムチャンが再び産卵していた。

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前回、はじめ色が黒っぽい卵と白っぽい卵があり、そのうち全部同じ色になったのだったが、今日の卵を見るとどうも産みたては黒っぽいらしい。スモーキーグレー。

それにしても、ラムチャンはよほど壁際に卵室を作るのが好きらしい。強度は土の比ではないので、賢い選択かもしれない。自然界で言えば、岩肌に沿って作るようなものだろうか。

 

奥を覗き込むと、ラムチャンが穴を埋めているシルエットが見えた。

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なるほどなあ。まずアリの巣の部屋のような空間を作って産卵したら、最終的に出入り口をふさぐのか。

 

約1時間後に覗き込むと出入り口はすっかり塞がれており、ラムチャンは卵室のエクステリア工事に取り掛かっていた。

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上左右からぐるりと固めている。

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こうやって見ると卵室の中は結構スペースが広いが、外から固められて徐々に狭くなっているようだ。

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9月20日産まれのベビーケラたち---通称 920 Bros. (今決めた)は、あまり動きまわらないで寄り添いあっている。まるで網戸に群がるカゲロウみたいだ。

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昨晩1本入れてみたけど、さすがにまだ赤虫は食べないか。

じっとしているのは、もしかすると1回目の脱皮の準備なんじゃないかと思ったり。孵化後どのくらいから脱皮が始まるのかわからないが、卵室脱出前に2回も脱皮するとかいう噂があるので期待している。

 

動く!オケラの赤ちゃんたち

2017年9月20日

明朝から孵化を始めたらしいベビーケラたちは、夕方にはほとんどパンダ柄に色づき、卵の殻に頭を突っ込んで中からぺろぺろと舐め回していた。個体に比べて卵の殻の数が少ないように見えるので、最終的には全部食べてしまうのだと思う。

 

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腹から見ると真っ白だけど、頭部や胸部の上側は黒くなっている。カメラを通すとよくわからないが。

熱心に瓶の内側をぺろぺろしているものだから、もっと栄養採れそうなところを舐めなさいよと声をかけたくなる。

 

7月3日に我が家に飛んできたメスケラをいつまでも「他所から来たお嫁さん」と呼ぶのは不便なので、「ラムチャン」と名付けることにした。昨年我が家で産まれて成虫になったラムチャンのパートナーは「モロボシ」だ。モロボシの両親がベガとアルタイルなので星つながりでいいんじゃないかな。

 

ラムチャンが卵を産んだのは9月3日だった。18日で孵化したということだ。卵の正確な数はわからないが、ベビーは10匹以上いるようだ。

19時ごろに観察すると、半日前と変わらず狭いところでぎゅうぎゅうになっており、身動きが取れていないように見えた。自然の中でも卵室の内部はこんなもんだろうと思ってそのままにしておいたが、土製の卵室と違い壁の半分は固い固いガラスな訳で、21時ごろいたたまれなくなって周りの水苔を崩してやった。

ベビーたちが生き生きと蠢き始めたので、これでよかったのかな。

モロボシの末の弟妹も人為的に崩した卵室で孵化して育ったので、まあ大丈夫かなと思う。

他所から来たお嫁さんケラの子、孵化!

昨夜見たときはまだだったんですけどね、夜中に始まっていたようです。

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ぎゅうぎゅう。

 

よくよく観察すると、このカタマリ以外のはぐれ卵も孵化していました。

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むちゃくちゃかわいいです。 

 

久々のケラ飼育ケース一斉清掃

2017年9月6日

タイトルの通りです。

いつもどおりケラの生き残りの数を数えながら掃除。まずは大キャンディポットから。少し狭いせいか、餌の減りも土の汚れるスピードも相変わらず一番早い。

 

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なんと、7月12日の掃除の時と変わらず、成虫5匹、幼虫1匹。幼虫のひとはまだ大人になってなかったのか。

ちなみに、7月12日にここから隔離した卵は全く孵化する様子なく、処分した。

 

見た目にお腹のふくふくしたメスがいたので持ち上げると、体をぎゅーっと縮めてますます丸くなった。

 

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続いて金魚鉢。

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9匹の生存を確認。なんとこの子たちも7月12日から全て生き残っている。

 

 

最後に水槽。

動きが素早く、写真を撮るのに苦労した。

 

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水槽は6月21日以来の掃除だ。あの時は成虫42匹、幼虫2匹いたが、きょうだいの中でも早く生まれたお兄さんお姉さん組で、次々寿命を迎えている。1匹は別の瓶でよそからきたお嫁さんと暮らしているので、差し引き43匹。そこからどのくらい減ったのか。

結果は、成虫15匹、なきがら4匹。

これまでには見られなかったことだ。死骸は放っておけばきょうだいの餌になっていたのだが、確かにこの最近は地上に横たわったまま人間が処分するしかない状態のものも数匹いた。

結局、20匹程度はケラたちが処分したものの、生き残りの数が減って、ついに処理能力を超えてしまったのだろう。

 

今回も卵室は発見できなかったが、美しく光る卵の粒を数個、食欲旺盛な成虫たちから隔離することに成功した。

 

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2017年9月7日

朝の餌やりの際、水槽の真新しい水苔の上にまた亡骸が転がっているのを見つけた。前日の掃除の時、尾葉の片方が半分の長さになって動きの鈍いのがいたが、その子のような気がする。