オケラをついに里子に出す
2017年1月20日
Facebook で友人とやりとりをしているうち、オケラの話になった。このブログの更新を Facebook で伝えるようにしているので、最初はその感想的なものを頂戴したのだ。早くなんとかしないとまた繁殖してしまう、これ以上は置く場所がない、とぼやいたところ「友人のお子さんがオケラ好きなので聞いてみましょうか」と言ってくれた。
話はすぐにまとまり、私の住んでいるところから高速を使って1時間半ほどの街に、オケラを里子に出すことになった。
この話が出るまでは、オケラに興味のある人がいれば差し上げたいとの思いはあったものの、何とは無しに水槽組の数匹を分けるイメージをしていた。しかし、里親さんは小学生。少しでも長く観察してもらった方が、楽しいし、勉強にもなるだろう。考える間もなく、末っ子をお譲りすることに決めた。
2017年1月22日
オケラは友人に受け渡しをお願いするので、里親さんとは直接お会いできない。オケラの飼い方に詳しい本は見当たらないし、ネットで拾える情報は、間違いとまでいかなくても、実際にはそこまでやらなくても大丈夫だったというようなことが多々あったので、私流の飼育方法を紙に書いて伝えることにした。
文章をつらつら書いていると、これで伝わるだろうかと心配になり、つい冗長になる。イラストを付け足してみたりするうちに、こういう形になった。
孵化した日(誕生日)を書き添え、QRコードから孵化の動画に飛べるようにした。オケラを飼う子はクラスに1人くらいはいるだろうが、他人の撮った動画とはいえ孵化から生涯を観察する機会はそうそう持てないだろう。
2017年1月25日
末っ子の飼育瓶のエサを取り替え、ひとつかみの赤虫を分けたジップバッグと自作の「オケラの飼いかた」マニュアルとともに紙袋に詰め、路肩に雪の残る高速道路を走った。
末っ子らにとって初めてのドライブは心配ではあったが、到着して確認しても変わった様子はなく、水苔のトンネルをチョロチョロ走り回っていた。
無事友人への受け渡しが済み、その夜、里親さんの手に渡ったと連絡があった。飼育瓶を両手で支えもってじっとケラを見つめる里親さんの動画付きで。
「小さい」と呟く声がかすかに聞き取れた。彼が今までに見たことのあるオケラは成虫だったのだろう。
だが、喜んでくれたようだ。大事に育てますとメッセージをいただいた。聞きたいことがあればご遠慮なく連絡くださいと返信した。
私の初めてのケラ仲間だ。
ケラの寝床は暖かい
2017年1月18日
キャンディポット(大)の水苔がかなり汚れてしまっているので替えてやることにした。この中には10匹の幼虫が住んでいたはずだ。今回も数を数えながら行った。
8匹が元気に生き残っていた。すぐに新しい水苔を掘って潜っていくが、頭隠して尻隠さず状態で落ち着いている子もいる。尻尾センサーは狂ってないかよ?
古くなった水苔は、黒ずんでじっとりとしている。水分の多い見た目からは冷たそうに感じるが、実際触ってみるとこれが暖かい。餌の食べ残しとケラの排泄物が発酵して熱を出しているのではないかと思う。これで野菜クズでもなんでも食べてくれるのならコンポストにできそうだが、好き嫌いするからなあ。
2017年1月19日
ギチギチに詰めた水苔を掘り回って、早速食餌用のトンネルができていた。
ちょこっと顔を出して、キャベツパクパクしています。
オケラ(オス)、春を告げる
2017年1月17日
午前11時ごろ。陽の射す水槽の角の方で数匹のケラが場所を奪い合うようにトンネル工事していた。成虫幼虫入り乱れている。
そこへ、人間には姿は見えていないが、奥の方からさらに参戦する子が現れたらしく、皆が一斉に身構えた。奥の子の頭がのぞいた時、
「ぎりりりッ!」
小さな成虫が激しく翅を震わせた。おお。驚いたのか、威嚇なのか、こういう場合に鳴くこともあるのか!
夏に地面に落ちて逆さになってジタバタしている蝉を想像してもらうと、だいたい合っています(つまり動画は撮れなかった)。
2017年1月18日
午前10時ごろ。
餌を取り替えるために飼育ケースに近づくと、土の中から炊飯ジャーのコンセントを抜き忘れた時のような音が聞こえてきた。
「ジーーーーーーーーーー」
そして、聞き慣れた「ギロロ」をイントロに、また「ジーーーーーーーーーー」
こ、これは、オスの鳴き声 !?
室温20度。とうとう本当の春を待たずに思春期を迎えてしまったか。
画の方は17日に撮影したものです。この真ん中の成虫が「ぎりりりッ!」と鳴いたやつ。聞こえている鳴き声の主は映っていないと思います。
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2017年月16日
水槽組の成虫化が次々と進んでいる。鳴き声は相変わらず短くかすかだが、尻上がり、尻下がりの2種類のメロディーで聞こえてくる。2種類が輪唱したり、合唱したりしていることもたまにある。録音は例によって失敗する。
成虫を壁際に見つけるとカメラを向けることにしているが、反射でうまく撮影できず苛だたしい。
下の写真の子は前翅の模様が複雑な気がする。でも後翅が長いなあ。オスだろうか。メスだろうか。
ところで。
ほとんどの成虫は体長 35mm を超すが、たまに 30mm くらいでもう羽化してしまっている子を見かける。同じ両親から生まれても、結構個体差があるようだ。
土日は全国を寒波が襲い、センター試験受験生を凍えさせた。我が家の室温は暖房を入れて 20度を切るくらい。このくらいなら、ケラは餌も食べるし成長するし、鳴く。
次々と羽化するオケラたち
2017年1月7日
空耳かもしれないと思っていた。
長女が羽化した日から、「ぐりり」または「ぎろろ」という生物的な音が、かすかに水槽から聞こえる気がしていた。成虫のケラの鳴き声を待ちわびるあまり、換気扇か冷蔵庫が軋む音を聞き間違えているのかもしれないと思った。
ところが、正月に遊びに来ていた友人が「今鳴いた?」と聞く。やはり鳴いているのか? 録音機を構えて近づくと、何の音も出さない。こちらが他のことに気を取られている時に限って「ぎろろ」と聞こえる。
半信半疑のまま、年末年始は過ぎていった。連休中あまり出かけもせずにいたが、鳴き声が聞こえるのは決まってこちらが漫画か iPhone に集中している時だ。夕方何時頃、のような決まった時間に鳴くのなら準備のしようもあるが、全く法則がない。
食餌がそうであるように、人の気配があると鳴かないのかもしれない。当店閉店時間の22時過ぎ、iPhone の音声メモを起動し水槽の蓋の上にそっと置き、私は素知らぬ顔で閉店作業に取り掛かった。ケラたちのそばを離れ、看板を仕舞ってライトを落とす。釣り銭を数え、洗濯物をカゴに入れる。およそ10分。
およそ10分の録音を再生する。遠くで看板を仕舞う音、お札を数える音まで拾っている。これは、ケラの鳴き声は雑音に紛れてしまうかな?
注意深く耳を傾けること3分20秒、聞こえた!
3分も待たずと済むように編集しました。一瞬ですのでお聴き逃しなく。雑音も拾っておりますので音量にはご注意ください。
「ぐりり」「ぎろろ」あるいは「てけ・り・り」と短く鳴く音が、はっきりと聞こえる。すごい!すごい! YouTube で聞いたどの鳴き声とも全然違う。羽化したばかりだから? それともこれがメスの鳴き声?
日に日に成虫が増えているので、水槽の中にはきっと大人のオスも大人のメスもいると思う。しかしまだオスがメスを呼び「ジーーーーーーーーーーーー」と連続して鳴く音は聞こえたことがない。
大人たちはなぜかよく集会している。
末っ子ケラ再び引越し
2016年12月31日
末っ子の飼育瓶は通気性の問題なのか餌にすぐカビが生える。カビの生えた餌は周りの水苔ごと捨てるので、水苔がかなり減ってしまった。体長 8mm 程度まで育っている子もいるので、大きい瓶に移すことにした。調理用具の店で手に入れた透明のプラスチック瓶はそこそこの大きさなので、2瓶に分けていた末っ子らをひとつに同居させることにした。
まずひとつ、瓶の中身をあけると、7匹のちびっこがいた。1匹しか減っていない。
作業中に友人が来たので、少し手伝ってもらった。
指の間に潜ろうとしている。かわいい。
もうひとつの瓶では、6匹全部生きていた。すごい。でも、そのうち1匹は背中に傷があったので、長生きできないかもしれない。
新しい水苔で、よいお年をお迎えください。
祝☆オケラ成人! もとい、成虫!
2016年12月26日
タイトルの通り。とうとう、完全に羽化したケラを発見しました!
元から生えていたトレンチコートのストームシールドみたいな前翅の下で、長い後翅がお尻まで伸びている。鋭いヤスリのような外見の部分しか露出していないが、ここに空も飛べる翅が収納されていて、いざとなるとジュディオングの「魅せられて」の衣装のように美しく拡げられるのだ。
翅の模様がシュッとしている。デネブ!君は女!?
オスは翅を擦り合わせて大声で鳴かないといけないので、複雑な模様になるそうです。
お腹にシワが寄っているので、羽化は24日〜25日ごろと推定される。七夕に出会った二人の間に産まれた子がクリスマスに成人(虫)。なんか恋愛方面で縁起良さそうだな。縁結びのオケラ。ハッピーホリデー。
体長は35mm くらい。シワが伸びるともうちょっと大きいかも。