ケラの気門
2016年12月8日
気門。
昆虫は「器官呼吸」といって、腹の横にある穴、気門で息をしている。
実を言うと、ケラを飼い始めるまであまり昆虫に興味がなかったので、呼吸の仕組みを知らなかった。
40mm前後に成長したケラたちのお腹に点々があることに、なぜか今まで気づいていなかった。
足で隠れているが、両脇に6つずつかな?
前に、脱皮の翌日のケラを「騎士の鎧のよう」に側面がフリリーだと書いた気がするが、あれはディティールアップではなく、単にまだ規定のサイズに膨らんでいないだけだったようだ。要するにシワがよっていたのだ。
数日経てば、シワが伸びて滑らかになってしまう。逆に考えれば、フリリーな個体はここ2日くらいの間に脱皮した子、というわけだ。
今日のシマ争い。
2匹ともすでに翅がしっかりしているが、水槽組の標準サイズ。下の子がやや大きいかな。トンネルで出会って激しく突き合いをしていた。
突然、両者の動きが止まった。これからボクシングの試合が始まるみたいに、拳と拳を付き合わせたまま、じっとしている。人間にはわからない言葉で会話しているのかもしれないね。
この後、下の子がずるずると下がっていき、上の子はしばらくフリーズしたままだったがそのうち上へ上がっていった。あれ、下の子を追わないのか。やっぱり心と心で会話していたのか。「我ら……互角!」とか。
しばらくのち、下の子がちょっとした水苔ボールを転がしながら登ってきた。上の子がいる場所まで運んで、そのまま壁にしてトンネルを隔ててしまった。
上の子は、陣地が侵されてはたまらんとばかりに反対側から押して抵抗していたが、なんだかうまい具合に両者の力の方向、カッコよく言うとベクトルがそれて、行き交う形になって喧嘩は終了した。
ケラの脱皮動画をアップしました
前回キャプチャをあげたケラ脱皮動画、前述の通り30分以上ありますし手ブレが酷く、そのままでは見るのが辛いので編集しました。それでも5分強あります。退屈するといけませんので音楽をつけてみたりしました。
それではご覧ください。
2016年11月28日
昼前に洞窟みたいなトンネルを発見し、覗き込むと昨夜の子とは違う子が脱皮中だった。
腹部を脱いでいる途中で動けないらしく、じっと15分ほど見つめあった。萌え死ぬかと思った。
2016年12月2日
生乾きの大地に水を撒いた。ケラたちは、渇望していたのかはしゃいでいる(ように見える)。トンネルを走り回ったり、一心不乱に毛繕いをしたり、そんなのが水槽の壁一面で行われているのだ。15、6匹は見えている。壮観だ。
中にはこんなアクロバティックな姿も。
三叉路に掘ったトンネルの形状を利用して、素晴らしい前屈を披露している。ちょうど尻尾(尾葉)を口先でしごいているところだ。人間も、身の回りの建具、家具を利用してストレッチするといいですよ。無理ない程度にどうぞ。
キャンディポット(大)組が陣地争いをしている。
水槽組と見比べると、トンネルの壁がまだスムースじゃない。体の成長とともに、技術も徐々に成長したことがよくわかる。
ついにケラの脱皮を捉えた
2016年11月28日
午前0時過ぎ
そろそろベッドに入ろう、その前にケラの様子を、と水槽を覗き込むと
うん? どんな体勢なの。
あ、口器を壁に突き刺してる。前に見たやつだ。
私の仮説では、ケラの幼虫は脱皮用の部屋を作って、お尻を溝に、口器を壁に固定して脱皮するとした。まさに想像した通りの姿だ。
iPhone を構えて動画を撮影した。こちらは固定するものがなくて30分、手ブレしながらこらえていた。あまりに重くて編集に時間がかかるので、とりあえずキャプチャを掲載します。
発見した時には、すでに後胸部の背が割れ、妖精姿が露出していた。ちょうど翅のところから出てくるのか。
前胸部が真ん中から割れた。
左右に開き、頭部のキリトリセンも割れ始めている。
口器や脚の先は休み休み慎重に引っ張り出している。
今まで見てきた妖精さんはムーンストーン色だったが、この子はややオレンジがかっていて大理石のようだ。この角度からみた時、お坊さんとか牧師さんとか、そんなイメージが浮かんだ。宗教遺跡っぽい。
口器や脚を無事脱皮させると、時折大きく体をひねって腹部を脱いでいく。これまた慎重だ。人間の子供を産む時に、いきみ逃しをしながらゆっくり出すのに似ている。あれみたいなのを数日に一度やってるのかと思うと頭が下がるなあ。
お尻の方は少し奥に入って遠近がかかっているので、だいたい40mmにはなってると思います。翅がでかい!
色づき膨らんでいくのを観察していたかったが、1時を回ったので諦めた。
起床してからご様子を伺うと、忙しそうにトンネルを改装していた。
ケラの部屋づくり
2016年11月19日
金魚鉢で脱皮した子を見つけた。
こんなちっちゃい子の妖精姿は初めてみた。真っ黒お目目がキュート。
人間かカメラか他の子の気配を察知してトンネル内をウロウロ。危険がないことを確信したか、またこの位置で休憩し始めた。
この状態の時は新しくトンネルを掘ることはない様子なので、あらかじめ脱皮用のトンネルを確保しているのだろうと思う。
2016年11月20日
ケラはトンネルを掘る時、ただ進行方向に掘り進んでいるわけではないようだ。餌に向かってピンポイントに縦穴を掘っていたり、地面の約1cm下に水平に掘ってどこからでも餌にアプローチできるように工夫していたりする。
掘り方も、ただ搔きわけているだけではない。時には数センチ先から水苔の塊を転がして別の場所に移動させる行動も見られる。「ここはもう少し掘って、あそこの穴は塞ごう」と、なんらかの目的を持って建造しているようだ。
それにしても、
外光をふんだんに取り入れた部屋。
もう、地上となんら変わらないではないかと思うけど、ケラにとっては違いがあるんだろうな。このトンネルの住ケラも、水苔の塊をあっちへやりこっちへやりしてリフォームを繰り返している。
気にいるお部屋ができるといいね。
その頃、幼いケラたちは
2016年11月18日
水槽以外の飼育瓶の子らも、順調に育っている。
金魚鉢組、大キャンディポット組はこんな感じ。餌もよく食べるようになった。
末っ子はしばらくあまり人間が与えた餌を食べなかったが、上の子らもなぜかこのくらいの時に水苔しか食べなかったので、そういう習性かもしれない。
だまし絵みたいになってるなあ。ちょうど画像の中央あたりにいますよ。
ようやくパンダ柄を脱皮して、ウナギ色になった。8mmくらいかな。赤ちゃん時代終了だ。
赤虫をお腹いっぱい食べてピンク色になっている。この子らもそのうち30mm超えたりするのか。ウヒョ〜。
ケラは只今食欲旺盛
2016年11月15日
水槽組の餌の減りが早くなってきた。皆成長しているのだから当たり前だ。最近は朝晩の2回、動物性のものを入れるようにしている。それで地上に少し残るくらい。
葉っぱものは、水苔の水分を吸って時間が経ってもパリッとしている。なので3日程度取り替えずに置いておくこともある。その間にだいたい食べ尽くすので、あとは悪くならないうちに取り除く。
レタスはどう保存しても外側からぐったりしてくるものだが、そんな元気のない葉もケラの飼育瓶に入れておくと活き活きと蘇る。面白い。
水槽の一番深いところに陣取っているデネブ級が、長い縦穴を掘ってレタスを食べにやってきた。
人間の人差し指がスポッと入りそうな穴だ。こんなの外で見かけても、虫が開けてると思わないかもなあ。
2016年11月16日
この勢いならキャットフードもモリモリ食べるんじゃないかと思ってばらまいておいたら、半分くらいは地中に埋めていた。
でも、あまり人気はないみたい。
ケラのトンネル利用法
2016年11月10日
ケラの幼虫たちは、トンネルをストレッチ器具のように使うことがあります。
窪みにはまって前屈している。穴の入り口に体を押し付けることで、何もない状態よりも深いストレッチ効果を得ている、と思う。
ストレッチする時の穴の使い方はその時その時によって違うけど、「形を利用している」ことだけは確かだ、と思う。
この子の背中から白いものが出て来ているように見えるので、このまま脱皮してくれるのかと期待したけれど空振りだった。カメラのシャッター音に気づいたか、そそくさと穴から起き出し影に潜ってしまった。背中の中央はぴったりと閉じていた。
と、いうことは、普段割れていないように見える背中の中央には、脱皮に備えてあらかじめスリットが入っているんだろうか。きちんとそこから割れるように、殻の薄くなっているラインが。そう考えて観察すると、胸部の背中にもうっすら縦筋が見える。
2016年11月12日
水槽のトンネルは、巣穴と呼べるような空間を持つものが増えて来た。
しかし、今の所は一つのトンネルが完全な形を保っていられるのはせいぜい一週間。いや、一週間持つようになったというべきだろうか。成虫になればより戦略的な巣穴を作る必要があるわけで、その技術を日々磨いているのかもしれない。